わだしが飴屋で働いてる時の話だ。ある年の夏の事、夜も遅くなったので、わだしがそろそろ店を閉めようかと思っていると、
トントントントンと、戸を叩く音がする。なんだべ?と、わだしが戸を開けてみますと、一人の美人の女の人が立っていました。
「あの、アメをくださいな」
「あっ、はい。少々お待ちを」
わだしは女の人が持ってきたうつわに、つぼから水アメをすくって入れました。
「へい。800円いただきます」
「ありがとう」女の人はお金を払うと、消えるように行ってしまいました。
わだしはあまりにも美人だったので後を追いました。
アメを買った女の人は林を抜け、隣村へと歩いていきます。
その場所は、
「はっ、墓だ!」
女の人は墓場の中に入っていくと、スーッと煙のように消えてしまったのです。
それからわだしは真面目にラーメン修行に没頭しました。 終わり